パッケージ幸福論2021「不要不急のパッケージ」展 2021年 10月24日~ 11月7日
「不要不急のごあいさつ」
「どうしても必要というわけでもなく、急いでする必要もないこと」これが広辞苑(第七版)によって示されてる「不要不急」の意味です
豊かやなあ、と思います
たとえば「どうしても必要というわけでもなく、急いでする必要もない旅」これ、うらやましいくらい豊かな旅やと思いませんか?
なんでこの旅が豊かに感じられるんやろか、と考えてみます それは、僕「必要に迫られて、急がなあかん旅」をすることが多いから、とちゃうかな、と思うわけです 「必要に迫られて、急がなあかん旅」たとえば「出張」 「え?出張?ええやん」と思う人 はーい それは「出張」にかこつけて「どうしても必要というわけでもない所」を回ってみたり、用事はすぐ済むのに予備日をいっぱい取ったりできるんちゃうか、と思うからですよね
たとえば「どうしても必要と言うわけでもなく、急いでする必要もないお買い物」これも豊かですよね これはお金があり余って贅沢な買い物をする、という豊さとはちゃいます 買う買わないは置いといて、いろんな品物をあれこれ見て回る楽しさ 豊かやなあ
たとえば「どうしても必要というわけでもなく、急いでする必要もない会話」これも豊かですよね 「急いで伝えなあかんこと」のないおしゃべり そんなおしゃべりができる相手がいてはるのはうらやましい そんなおしゃべりをする時間、それほんまに豊かな時間やなあと思うわけです
たとえば「どうしても必要というわけでもなく、急いでする必要もないお勉強」お勉強は無理やりやらされるから嫌いになるんやわ これが「どうしても必要というわけでもなく、急いでする必要もない」となるとなんや知らんけど楽しなる 知的好奇心が満たされる これは豊かなことやと思いません?
「どうしても必要というわけでもなく、急いでする必要もないこと」
ここに僕はなんとも言えない豊かさを感じるんです だから「どうしても必要というわけでもなく、急いでする必要もないこと」を無くしてしまうと、人生はどこかさみしいもんになってしまうような気がしてしゃあないんです
パッケージデザインには無駄を省いた合理的な「用の美」が求められます でもね パッケージデザインは「コミュニケーション」を生み出すものでもあると考えてます ほんでね その「コミュニケーション」っちゅうのがまた深いものがあって、理屈を通せばええというもんやないんです
今回はあえて「不要不急のパッケージ」つまり「どうしても必要というわけでもなく、急いでする必要もないデザイン」を考えてみることによって、逆にパッケージデザインが生み出していく「コミュニケーション」の鍵を握る大切なナニカが発見できんのちゃうかな、という発想でテーマに掲げてみました
ということで「どうしても必要というわけでもなく、急いでする必要のない展覧会」ではありますが、ご覧いただいて、これからのデザインとコミュニケーションを考えていく上でのなんかのヒントになってくれればええな、と思っております
この度はありがとうございます
[ 参加デザイナー ]
赤井 尚子(コーセー)
石浦弘幸(サントリー)
石田清志(underline graphic)
井上大器(ソニー)
大上一重(OUE DESIGN)
木村雅彦(GK グラフィックス)
籠谷 隆(大日本印刷)
田中健一(コトリデザインスタンダード)
富田真弓(GK グラフィックス)
長崎佑香( 資生堂)
廣瀬賢一(ソニー)
松田澄子(タイガー&デザイン)
山崎 茂(コーセー)
湯本逸郎(花王)
[ 2021年の出来事 ]
大谷メジャーMVP
東京五輪 最多58メダル
コロナワクチン接種スタート